検定の特長
『語彙・読解力検定』では、「ことばの力」を適切に判定するために、次の3つの領域で測定します。
辞書語彙 社会とつながるための基盤
(問題例)
提示されている語句の意味として最も適当なものを、①~⑤のうち から一つ選びなさい。
耳障り
- ①あまり耳障りばかりしていると、傷がついてしまう。
- ②世界に飛び出し耳障りを広げて教養をつけたい。
- ③ヘッドホンの耳障りが気になったので、途中で外してしまった。
- ④勉強をしたいのに工事の音が耳障りで集中できない。
- ⑤耳障りのよいことばかりを言ってくる人を信用してはいけない。
正解:
- ④勉強をしたいのに工事の音が耳障りで集中できない。
- 語句とその正しい意味を知っているうえで、語句の使われ方が適切かどうかまで正しく理解できているかを問う。
新聞語彙 社会への視野を広げる知識
社会への視野を広げ、世の中の動きをとらえるために必要な語彙や知識を確認。
- 社会生活で必要な基礎知識や時事知識。
- 時事知識の背景や関連性の理解。
- 社会生活と関わりの深い次の4分野で確認。
- 政治・社会・文化
- 経済・国際
- 科学技術・環境
- 医療・生活
(問題例)
次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
(1)空欄Aには「全国の世帯が購入する生活用品の価格変動を示す指数」という意味の語が入ります。当てはまる語として最も適当なものを、①~⑤のうちから一つ選びなさい。
- ①エンゲル係数
- ②ジニ係数
- ③株価指数
- ④消費者物価指数
- ⑤企業物価指数
正解:
- ④消費者物価指数
(2)下線部「GDP」の意味として最も適当なものを、①~⑤のうちから一つ 選びなさい。
- ①国民所得
- ②国民純生産
- ③国内総生産
- ④国民純福祉
- ⑤国民総幸福量
正解:
- ③国内総生産
- 社会の今を理解するために必要な語の知識が身についているか、新聞記事から旬の話題を取り上げ、時事問題を正しく理解できているかを問う。
読解 社会を読み解くスキル
入試での出題頻度が高い朝日新聞のさまざまな記事を主に使用します。
現代社会で起きている事象を正しく理解するスキルを確認。
- データを正しく理解し、課題解決に役立てる力。
- 他者の発信する文章を論理的に読み解く力。
- 情報の特徴や論理的関係性を見抜く力。
- 現代社会で必要な読解力を次の3分野で確認。
- 文章読解
- 資料読解
- 情報整理読解
(問題例)
次の資料は2014年4月5日付の朝日新聞掲載の記事です。
これを読んで後の問いに答えなさい。
ズワイガニといえば日本海の味覚の王様。ところが、その前に「ベニ」をつけると、値段はその1割程度と懐にも優しくなる。クリームコロッケなどで口にする機会が増えたが、乱獲が問題に。水揚げ量日本一の鳥取県境港市では、業者が対策に乗り出し始めた。
1月の午前5時すぎ。境漁港に真っ赤なベニズワイガニが次々と水揚げされてきた。2隻の漁船がおろした30キロのケース計1940個が競りにかけられたのは約2時間後。地元の水産加工場で棒肉やカニみそに加工されて出荷され、全国でコロッケの具材などとして使われる。
境漁港には、島根6隻、鳥取3隻、新潟2隻の11隻の漁船が水揚げしている。50メートル間隔で150個のかごをつけたロープを1隻で6~9本深海に沈める。漁期は9月から翌年6月末まで。2013年の漁獲量は約8700トンと全国の約半分を占める。
そもそも、日本海でベニズワイガニ漁が本格的に始まったのは、海底にえさを入れたかごを沈めて取る「かにかご漁法」が開発された1960年代。ピークの84年に3万1千トンを超えた。しかし、その後、取り過ぎもあって漁獲量が激減。2003年には1984年の ほどまで落ち込んだ。
危機感を抱いた境港の漁業者たちは小さなカニが逃げやすくなるよう、かごに三つの脱出口をつけた。2007年には、前年の漁獲量から1割減を目安に、漁船ごとに年間の漁獲量の上限を定める個別割り当てを導入した。
成果も少しずつ表れている。水産総合研究センター日本海区水産研究所(新潟市)によると、ベニズワイの資源量は08年度の調査から増加に転じた。
問 空欄に当てはまる数字として最も適当なものを、①~⑤のうちから一つ選びなさい。
- ①8分の1
- ②2分の1
- ③4分の1
- ④10分の1
- ⑤50分の1
正解:
- ③4分の1
- 資料読解では、図表の特徴や傾向を踏まえたうえで、図表と文章とを対応させながら資料を読み取る力があるかを問う。